15年目作業療法士に聞いた!リハビリ職として働くということ
今回は15年目作業療法士に『リハビリ職として働く』ことについて、
これまでの経験などや後輩に伝えたいことなど、
お話を伺ってきたので、皆様に伝えられればと思います。
ではどうぞ、、、
15年目作業療法士インタビュー!
私はリハビリテーション科の助手時代を含めると30年位現在の病院に勤務しています。
その中で感じた医療職の違和感やおかしなシステムなどを
今回はお伝えしたいと思います。
医療職のおかしなシステム
1.ひと昔前の病院システム
私はリハビリテーション科の助手として現在の病院に入社しました。
その時代はまだリハビリテーションの医療保険システムが現在とは違い
詳細なものではなかったため、
「複雑」「簡単」などとゆう曖昧な基準の元、点数を取っていました。
また理学療法士や作業療法士1名が助手何名かに対し指導すれば
助手がリハビリを実施しても点数が取れるシステムになっていました。
資格がなくてもリハビリが実施できてしまっていたんです。
そのため私はリハビリテーションに資格が必要なことも知らずに業界に入りました。
資格が必要なことを知ったのはかなり後のことです。
2.多職種連携って実際は本当にそうなっているのか
皆さんはコメディカルという言葉を知っていますか?
図で表すとこんなイメージです。
一人の患者さんを医者・看護師・理学療法士・作業療法 士・栄養士・ケアワーカー
など多職種の人が協力し合って病気の回復に導いていくというも のです。
もう一度言いますが「多職種の人が協力し合って病気の回復に導いていく」
というものです。学校でも習ったことがあるのではないでしょうか。
しかし実際の現場はというと、、、
医者の意見が優先される
やはり基本的には医者の発言力や意向が大きく繁栄されていると感じます。
それは「病院」という保険点数の収入で収益を得る独特の世界だからだと思います。
病院の中では誰が一番収益率が良いのか? 言うまでもなく医者です。
医者の単価が 1 番高いのです。
ですからコメディカルとはいいますが発言力や影響力はその収益率に比例するところがあります。
実際には医者を頂点にトップダウンのヒエラルキー 構造を成している病院も多いのではないでしょうか。
一般企業やベンチャー企業では実力次第で発言力などを増していくことができると思いますが、
病院ではそれだけではうまくいかず、
持っている資格によっても自分をアピールしにくいという側面があると思います
3.女性が多い職場(好き嫌いに左右されがち)
もともと病院という世界は女性の労働力で支えられていたものです。
「看護婦」が「看護師」と呼ばれるようになったのも 2002 年 3 月からで結構最近です。
現在は私が勤務してい る病院でも男性の看護師が随分増えてきたようですが、
勤め始めた頃はリハビリテーション 科以外は女性ばかりだったように思います。
図のように現在も病院の中の職員の男女比は男性 7.8% 女性 92.2%(2018 年データ)となっており、
まだまだ女性優位の世界だと言えます。
女性優位の世界での弊害
女性は現実感覚に優れ正邪を瞬時に見分け るという素晴らしい能力を持っています。
しかし、その反面感情に左右されやすいという側面もありこれが職場の人間関係に関わってくると非常に厄介です。
〜実際にあった具体的事例〜
例えば新入職員が 2 名入ってきたとします。
1名は周りのスタッフの気が合いすぐに環境に馴染めたとし ます。
しかしもう1名の方は何となく環境に馴染めず、周りのスタッフからも距離を置かれるようになってしまいます。
こうなってしまうと自分の居場所が無くなり、結果退職してしまう事態になります。
病院としても「離職率」が向上しないようにしたいと考えてはいるようですが、
周りは何でやめてしまったのか理由がわからない、ということが起こり得ます。
女性からは「馴染めないほうが悪い」と言われそうですが、
男性の私から見ると「人の好き嫌い」で現場の人間関係が随分左右されているように思います。
もちろん他の業界でも女性が多い職種はあると思いますが、
医療職というものは、
患者さんとの関わりやスタッフとの関わりから生じるストレスは
他の業種とはまた一味違ったものだと思います。
4.患者さんと治療者側の立場の変化
外来リハビリに患者さんがきたとします。
徐々にリハビリテーションを実施していき、患者さんの状態は良くなっていくほうが多いと思います。
(もちろん患者さんによって経過が違うので一概には言えませんが、、、)
そうするハビリテーションのオーダーの出ていない部位の不具合についても聞いてきくる方がいませんか?
その疑問に答えると患者さんは「あーそなんだ」と納得して帰りますがその次のリハビリからが大変になってきます。
患者さんが「この先生であれば 私の聞きたいことに答えてくれる」と思い、
治療に対しても非常に依存的になってしまうことがあります。
助ける側・助けられる側という治療構造の完成です。
リハビリテーションでは患者さんに治療に参加してもらう必要があるのですが、
この治療構造の中では患者さんの依存度は増していくこととなります。
これをされたらもうあなたに依存している!!
よくリハビリテーションの終了時期になると何か包んでもってくる人いませんか?
これは結構よくあることだと思います。
この行動はそもそも患者はお金を払ってリハビリを受けているのに、追加でまた報酬を払っていることになるんですよね。
『顧客でありながらサービス提供者に気を遣うという立場の逆転が起きてきます。』
また患者さんによっては受け取りを拒否すると怒ってしまうような方もいます。
こうなると、すでに依存的になっていると言ってもいいでしょう。
とは言っても難しい現状
理学療法士が1日に見ることのできる患者には制限があります。
病院によって違いはあると思いますが、それをノルマのようにして
達しなかった場合には上司と面談したりなど、口うるさく言われるところもあるでしょう。
この職業もサービス業なので、自分に患者をつけて置かないとそのような状況になってしまいます。
この状況を少し考えてみると、、、
これって患者をよくすればするだけ自分の患者が減っていき、
ノルマを達成できないということが起こりますよね??
患者をリハビリから卒業させたところでなんの報酬もあるわけでもないため、
『患者を治す=自分の患者が減る』
とゆう理学療法士としては非常に残念な結果になってしまいます。
かなり矛盾したシステムですよね。
まとめ
おそらくこれは医療業界に昔からあった弊害で
現在はこういうことを無くそうとの動き もかなり出てきていますが、
完全に一掃されるには時間がかかりそうです。
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